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ジャイロコプタ―
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ジャイロコプタ―の歴史
現在ジャイロコプタ―と呼ばれている機体はスペインの技術者ホアン・デ・ラ・シェルバにより低速でも安全に飛ぶことのできる飛行機(オートジャイロ)として発明され1923年にマドリッドのクワトロヴィエス飛行場で初飛行に成功しました。 この機体は固定翼機と一見似た形状でに飛行安定性の為補助的な主翼、尾翼を備えており機首部のエンジン動力により機体を前進させメインローターの回転による揚力により浮き上がるというトラクター方式のものでした。
(下写真参照)
Cierva's First Autogiro
1920年、1930年には米国のピトケアン&ケレット社がシエルバからライセンスを取得し更に発達した機体を開発しました。(下写真参照)
Pitcairn PCA-2
当時オートジャイロは低速で飛行出来る、ヘリより飛行速度が速い、固定翼と異なり失速しない等優れた特性を備えていましたが、やがてヘリコプターにその席を譲る事となります。
これには発明当初故とも言える理由が幾つか挙げられます。
−ホバリングが出来ない。
−狭い場所へ上下発着が出来ない。
−従来からの固定翼機でも同じ飛び方が出来る。
−発明者であるシエルバ自身が41歳の時飛行機事故で死去。
−オートジャイロ開発の第一人者であるシエルバの死によりそれ以降の開発が進まなくなった。
−ヘリコプターの開発はオートジャイロより遥かに先行していた為多くの人々の間でヘリに対する認知が既に拡まっていた。
−ヘリコプターの浮上が動力によるローター回転であるのに対し、オートジャイロの浮上が前進風圧によるフリー回転であり、動力に依るものではない回転に対し少なからずの人々が懐疑的であった。
以後、飛行機は固定翼機とヘリコプターとなっていましたが、1954年にイゴールベンセン博士によりB-8型
曳航式ジャイログライダーが開発され、翌1955年には同博士によりマッカラ―M4318無人標的機用エンジンを機体座席後部に取り付けたプッシャ―方式の動力型ジャイロコプタ―B-8Mが開発されました。
このベンセンジャイロコプタ―は純粋にスポーツ飛行の為に開発され、機体がコンパクトで自動車1台分のスペースがあれば組立てができる、機体の構造のシンプルさ、航空規格のアルミ材の使用、判り易い図面販売、誰にでも容易な組立キットの販売、更に自転車に乗れる人なら誰でも飛ぶことが出来る等の宣伝もあり瞬く間に人気を博し多くの機体が図面から又キットから組み立てられ、空を飛びたい多くの世界の人々の圧倒的な支持を得る事となりました。(下写真参照)
Bensenジャイロコプタ― B-8M
一方ベンセン機の人気の高まりがあまりにも急速であった為、プッシャ―駆動方式―オートジャイロの飛行特性に対する正しい理解が不十分のままの状況が広がり其れと共に事故の発生も増えて行きました。 ベンセン博士やケンブロック氏はジャイロの特性について充分な理解の上で飛んでいましたが、一般のジャイロ愛好家全てが同じようにジャイロの特性を充分理解していた訳ではありませんでした。
プッシャ―方式ジャイロコプターの操縦に当り初心者の陥り易い事故原因として
PIO(Pilot Induced Oscilation)
が挙げられます。
これは飛行経験の浅いパイロットが陥り易くみずからこの原因をつくり波状飛行を繰り返しやがてそれが制御不能の状態にまで大きくなり、最後に波状飛行の頂点で前方にでんぐり返る様に回転し飛行不能となり墜落してしまいます。
ベテランでも犯すミスとして
PPO(Power Push Over)
が挙げられます。
これは水平飛行時に速度を上げて行くとローターへの抵抗を減らす為徐々にローターの仰角を下げる訳ですが、下げすぎると有る時点で仰角がマイナスとなりその途端、上記のPIOと同様に一瞬にでんぐり返り墜落に至るというものです。
当初のベンセン機の頃はにはこれらの特性を軽減するような機体設計にはなっておらず、水平尾翼が付いていませんでした。 現代の機体では
PIO
や
PPO
を軽減する水平尾翼にくわえ、
CLT(Center Line Thrust)
に基ずく機体設計もされており当初のベンセン機の頃と較べると機体の自律安定性・操縦安定性は大きく前進していると言えましょう。
CLT : Center Line Thrust
とはプロペラ推進軸と前進するオートジャイロの重心軸を合わせる事に依りローター回転による抵抗が無い時でも、プッシャ―プロペラの推進力が機体を前のめりにしにくくする設計。
この
CLT
設計を最初に取り入れた機体が現在でも多くのジャイロパイロットに支持されているローターフライトダイナミックス社によるドミネータージャイロです。(下写真参照)
組み立てキット式機体 CLT設計+水平安定板 Dominatorジャイロコプター
現在欧米で造られている機体はキット・完成機共に全てこのCLTコンセプトをベースとして設計されており、同時に何れも水平安定板を備えてる事で、前述の
PIO
や
PPO
によるでんぐり返りリスクの軽減が図られています。
完成機 ドイツ AutoGyro社 CAVALON Gyrocopter
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