2018年11月04日
機体キット/完成機
日本では嘗ては今より遥かに多くのジャイロが飛行していましjたが、残念ながら現在では実際に飛んでいる機数は大分少なくなっています。(日本全体で約180機と言われている) 日本国内で飛んでいるジャイロは今でもBENSEN,Air
Command, Dominator等が中心で、ヨーロッパ製のスマートなキャビンタイプタンデム機はほんの数機ではないでしょうか。 無論何れのオーナーも本当にジャイロコプタ―そのものが好きな人々のみが続けているわけです。 一方、アメリカ、カナダ、オーストラリア、EU諸国ではRotax4シリンダー900シリーズエンジン付のタンデム機を中心に多くのジャイロ愛好家が飛行を楽しんでいます。 .
ドイツAutoGyro社、イタリ―MAGNI社、フランスDTA社J-RO,、オーストリアARROWコプター社、スペインELA社等の中心的なメーカーの他にもまだ多くの機体メーカーがあり、我が日本とは大違いでジャイロコプタ―フライトを活発に楽しんでいる様に感じます。 ヨーロッパ製の機体は完成機が中心で、機体キットから組み立てる方式はアメリカだけとなっています。
一般的に固定翼機の場合、小型の2〜4乗りシングルエンジン軽飛行機でも生産される機数は自動車とは違い遥かに少なく、1〜2人乗りヘリとなるとその生産機数は更に少なく、何れのメーカーも安全性に対するコストもあり価格的には高価となり、実際にこれらの飛行機を商用に使用する場合でもその間口は極めて限定されています。
ましてジャイロコプターの目的は個人のスポーツ・プレジャーフライトが中心であり、それに対し機体メーカー数は殆どが極小規模で且つ多数あり、各メーカーが生産を継続し生き残って行ける機数を売るのは到底不可能と言わざるを得ません。 従って、現在ネット上にサイトを持って、販売をしていると思われるメーカーでも実際には撤退している機体メーカーも多数あるようです。
日本で嘗てジャイロがもっとポピュラーだった頃(今から40〜45年くらい前)、機体メーカーといえば、ベンセン、エアーコマンド、ヴォ―テック(現在のスポーツコプター)位でイギリスも2〜3社ありましたが、その程度だったのです。 それが今ではそれは多くの新規メーカーが新しい機体を作ってはネットを通じて発表すると言う状況です。 1機種で100機以上売れている機体はほんの数機種ではないでしょうか。 従って多くの新規メーカーが新機種を発表しますが、その殆どが4−5年すると既に撤退していると言う事になっています。
以下は以上の状況の中での現在の欧米その他地域でのジャイロコプターの現状です。
イギリス
イギリスでは安全に対する規制が厳しくなったため、嘗てはDIY向けのシングルシーター組み立てキットを販売していたいメーカー マーリン、エヴァレット、クリケット等は全て撤退していましたが、2017年にクリケットジャイロコプタ―が再度戻ってきました。
現在では、キット式シングルシータージャイロコプターとして唯一正式に認可され販売を開始しています。
ここ2年程の間に規則が変わった為、ジャイロ機体メーカーが完成機として販売している2シーター機体以外飛行許可を取得することは極めて困難でした。 但し、規則が変更される以前より飛んでいた自作によるベンセン機やその他の機体は現在でも飛行しています。
EU諸国、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、アフリカ等
上記の国々ではジャイロコプタ―によるプレジャーフライトの他実用フライトも増えてきておりジャイロの市場は極めて活発といえます。
アメリカでは購入者が自ら組立てるキット式となっており、その間役人による中間検査、完成機体検査を経て飛行が許可となる方法をとっています。 キットの組み立て部分が全体完成機の51%以上が自分で組み立てる様な造りとなっています。
一方EU諸国で飛んでいる完成機体の多くはタンデム型2シーターで、殆どがスマートなキャビン付、エンジンもRotax912/914シリーズ の何れかが中心で、価格的にも極めて高価なものとなっています。
これらの機体は機体メーカーによる型式証明付機体も含め完成機としての販売に限られており、もはや当方の様にキットを組み立てて飛びたい等と言うジャイロファンにはとても手が届きません。
但し、これ等の国々でもキット式のジャイロコプタ―に対する根強いファンは今でも多く、現在も以前から有る機体や新たなキット式機体を組み立て飛行を楽しむケースもあります。
つぎの章ではこれら、キット式ジャイロ、完成機ジャイロを併せ紹介をしています。
キット式ジャイロ、完成機ジャイロのずれも実際にはもっと多くの機種がありますが、掲載した機種は既に多くの飛行実績があり現在でも継続的に販売されている機種に絞って掲載したつもりです。 機体メーカーが価格を公表している機種は価格を表示してあります。 また、ごく最近発表されたり発売されたりした機種はニュースの項をご参照ください。
1.機体キット
以下は全てキットとして販売されている機体で殆どがアメリカ製 米国製ジャイロはキット式が標準です。
エアーコマンド社ニューホームページは(こちら)
最近新たな設計変更が行われた5機種を以下にあげましたが、他にSide by side式機体も1機種あります。
コマンダーエリートシングル503
コマンダーエリートシングル582
エアーコマンダ―エリートタンデム912
エアーコマンダ―エリートタンデムEJ22
エアーコマンダ―エリートサイドバイサイドEJ22
ローターフライトダイナミックス社(アメリカ) http://www.rotorflightdynamicsinc.com/
オーナーのアーニーボイエット氏は自身の年齢から事実上経営から手を引いており、ドミネーターの部品の供給ができない状況になっている。 新たな移管先が見つかるのことを期待しているところだ。
ドラゴンウィングローターに関しても移管先のルミナ―ティー社の製造は未だスタートしていない。
スターライトスポーツエアクラフトロ社(旧スタービージャイロ社)アメリカ https://starlightsportaircraft.com/
ジャイロビ― 推奨エンジン: Lotax582, Hirth F23, 3203, 3502等 キット価格 US$6,690.00
上記価格はT-tail付き機体フレーム一式のもので以下付属品4点は含まれていません。
エンジン、ローター、プロペラ、各種計器類 これらはご要望に応じ個々のメーカーへ直接発注します。
シートタンクは写真の半透明で燃料の残量が分かるタイプと黒色で残量パイプ付きの2タイプが選べます。
マストはBENSEN式のダブルマストと写真のシングルマストがあり、シングルマスト6061-T6の肉厚は4.7mm
の極厚仕様となっています。 T−Tailは6061-T6アルミ製。
機体設計は航空エンジニア・ラルフタガ―ト博士によるもので極めて高い安定性、信頼性を誇ります。

スポーツコプター社(アメリカ) http://www.sportcopter.com/
ライト二ング キット価格 US$21,995.00
他に別売り付属品として、エンジン(Rotax503又はMZ202), プロペラ、プリローテ―ター、
各種メーター、コックピットパネル等が必要で約US$8,000〜12,000程が見込まれます。
詳細は以下サイトをご覧ください。 http://www.sportcopter.com/Portals/2/Lightning%2009%2006%2013.pdf
ライト二ングフライトビデオ
ヴォーテックス キット価格 US$26,995.00
他に別売り付属品としてエンジン(Rotax582), Warp Drive3枚プロペラ、セルフスターター、新型インストラメントパネル、排気パイプ等約US$12,000.00が掛ります。詳細は(こちら)をご覧ください。
ヴォーテックス ヴァイキングエンジンフライトビデオ
ヴォーテックスM912 キット価格 US$38,495.00
他に別売り部品として、エンジン(Rotax912+エンジン廻りアクセサリー、ステンレス製排気パイプ等で約US$23,000.00程追加となります。 詳細は(こちら)をご覧ください。
ヴォーテックスM912テストフライトビデオ
スポーツコプターU キット価格 US$84,995.00
他に別売り品としてエンジン(Lycoming IO 360), 専用プロペラ、他等で約US$55,000〜70,000.00
が見込まれます。 詳細は(こちら)をご覧ください。
スポーツコプターUプレゼンテーションビデオ
シルバーライトアヴィエーション社(SILVERLIGHT AVIATION) アメリカ
アメリカンレンジャーAR-1

本機はハンガリー、ハリー社製アポロジャイロをベースとし、そのテールブームを延長しピッチの安定性を
より高め、垂直尾翼の面積も大きくし直進安定性を高める設計変更を行ったもの。
BENSEN DAY デモ飛行(ビデオ)
アメリカンオートジャイロ社(アメリカ) http://www.americanautogyro.com/aai/
スパローホークV キット(クウィッビルド)価格 US$45,500.00 エンジン:SubaruEJ25
160hp 上記価格はスバルエンジン込みのものです。

スパローホークプレゼンテーションビデオ
タンゴジャイロ社 (アメリカ) ホームページは(こちら)
本機は見ての通りドイツAutoGyro社のMTO Sportのクローンである。 MTOは現在でも最も販売実績の多い
性能的にも安定した機体であり、そのコピーを係争もなく製作・販売しているのが不思議に思う。
特徴は1)エンジン 2)ローターブレードの2点
1) エンジン
アメリカでは極めてポピュラーなダートレーサー、スノーモービル等で性能・耐久性・高い実績から圧倒的に支持されているYAMAHAエンジンのユーズドをジャイロ用にリビルドしたものを使用している。 この為、価格的にはRotax900シリーズと較べ遥かに安価である一方性能的にはRotax900シリーズを上回ったものとなっている。

2) タンゴジャイロのローターブレード

上画像はタンゴジャイロのアルミ製ローターブレードだが強度を支える部分が肉厚・高強度で重量があるため、
慣性モーメントが強く回転の持続性の高いブレードとなっている。 ブレードコードは216mm
フライトビデオ プレゼンテーションビデオ
完成機
ここから以下は全て完成機として販売されている機種
MAGNI Gyro (イタリア) ホームページは(こちら)
同社は2016年に1000機の製造を達成し次のステップへ向け発進しています。
2018年現在は以下の3機種を生産・販売しています。
M-16 タンデムトレーナー エンジン:Rotax912/914 価格 56,000ユーロ
M-16フライトビデオ
M-22 ボイジャー エンジン:Rotax912/914 価格 64,000ユーロ
M-22クロスカントリーフライトビデオ
M-24 オリオン エンジン:Rotax914 価格 73,000ユーロ
M-24フライトビデオ
AutoGyro社〔EU ドイツ〕
MTOスポーツ2017 MTOスポーツ・ニューモデル
MTOスポーツ エンジン:Rotax912/914 価格 55,000ユーロ MTOスポーツフライトビデオ
現在のジャイロコプターで最も成功した機種で2015年に1000機のロールアウトを記録しています。

MTO フリー MTOスポーツ・スケルトンジャイロ

カリダス(タンデム) エンジン:Rotax912/914 価格 65,000ユーロ
カリダスフライトビデオ

キャヴァロン(サイドバイサイド) エンジン:Rotax914 価格99,812.75ユーロ
キャヴァロンフライトビデオ
ELA アヴィアシオン社〔EU スペイン〕 http://www.elaaviacion.com/?lang=en
ELA09Junior エンジン:Rotax912ULS 価格 44,700ユーロ
ELA07ク―ガ― エンジン:Rotax912ULS/914 価格 49,450ユーロ テイクオフビデオ
ELA07 スコ―ピオン 2017ニューモデル(ホームページ参照) エンジン:Rotax912ULS

ELA10エクリプス エンジン:Rotax912ULS/914UL 価格 79,000ユーロ フライトビデオ
Arrow社〔EU オーストリア〕 http://arrow-copter.com/
Arrow Copter アローコプター エンジン:Rotax914 価格 US$150,000.00
アローコプターフライトビデオ
Carpenterie Pagotto社〔EU イタリア〕 http://www.carpenteriepagotto.it/
BrakoGyro GT(ブラッコジャイロGT) エンジン:Rotax912ULS/914 フライトビデオ
価格 100馬力仕様 43,500ユーロ 122馬力仕様 46,900ユーロ
2017ニューモデル Brako社 Single Seater SPRINT
シングルシータースプリント完成機価格 80馬力仕様 34,800ユーロ 100馬力仕様 36,200ユーロ
キット価格(但しキャビン、エンジン、各種メーター類及びプロペラを除く)15,300ユーロ
BrakoGyro Rad(ラッド) 2017ニューモデル
( タンデムの後部に荷物、各種機器(空撮、環境調査、大気調査等)を積むなど業務向きに最適)

BrakoGyro スケルトンモデル ネイキッド
DTA J−RO フルエンクローズドモデル 〔EU フランス発〕 DTA社ホーム
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